今回のフレックスタイム制の見直しは、子育てや介護、自己啓発など様々な生活上のニーズと仕事との調和を図りつつ、メリハリのある働き方を促進することを目的としています。それが故に、以下のように制度を利便性を高めるような改正内容となっています。
1. 清算期間の上限の延長
・一層柔軟でメリハリをつけた働き方を可能にするため、清算期間の上限を現行の1か月から3か月に延長
・清算期間が1か月を超え3か月以内の場合、対象労働者の過重労働防止等の観点から、清算期間内の1か月ごとに1週平均(又は1月)X時間を超えた労働時間については、当該月における割増賃金の支払い対象とする
・清算期間が1か月を超え3か月以内の場合に限り、フレックスタイム制に係る労使協定の届出を要することとする。
2. 完全週休2日制の下での法定労働時間の計算方法
・完全週休2日制の下では、曜日のめぐり次第で、1日8時間相当の労働でも法定労働時間の総枠を超え得るという課題を解消するため、完全週休2日制の事業場において、労使協定により、所定労働日数に8時間を乗じた時間数を法定労働時間の総枠にできるようにする
3. フレックスタイム制の制度趣旨に即した運用の徹底等
・通達において、フレックスタイム制が始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ね、仕事と生活の調和を図りながら効率的に働くことを可能にするものであるという制度趣旨を改めて示し、使用者が各日の始業・終業時刻を画一的に特定するような運用は認められないことを徹底する
・フレックスタイム制における「決められた労働時間より早く仕事を終えた場合も、年次有給休暇を活用し、報酬を減らすことなく働くことができる仕組み」については、年次有給休暇の趣旨に照らして慎重に考えるべき等の意見が労使双方から示されたことを踏まえ、引き続き慎重に検討を行う
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